物語 ポーランドの歴史  読了

渡辺克義 著、物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書) 読了。

期待したほど面白くなかったな~~。

以前読んだ「戦争を始めるのは誰か」という歴史修正主義の本にあった、、第二次大戦前夜のポーランド回廊をめぐる同国首脳のヒトラーとの対応は不適切だったという見解が印象に残っていたので、その辺を注意してみたんだけど、やっぱり立場が違うと評価も違うんだろうね。
結局当時のポーランドの身の振り方は、一般的にはどう評価されてるんだろ。
17~18世紀くらいの国家間戦争では結構勝ってたんだね。ロシア(ソ連)とドイツに蹂躙されてるイメージしかなくて。
でも、失敗から学ぶポーランド人という自己評価がポーランドにはあるらしく、ポーランド人自身も、自分たちのことを大国間に挟まれた悲劇の民族とばかりは考えてないのかもな。

あと、近代以前の中世の記述が少なくて、ちょっと残念。10世紀くらいから歴史に姿を現すんだけど、もしかしてこのころの記録自体が乏しいのかな。





失楽園 読了

ミルトン 著、失楽園(上・下) 岩波文庫 読了。

この作品は興味があった。
17世紀のイギリス、清教徒革命の頃のキリスト教倫理の結晶といってもいいのではないだろうか。

なぜ神はこの世に悪がはびこるのを放置しているのか、黙して語らないのか。これはキリスト教のことを聞きかじったことのある人間なら誰しも感じる疑問だと思うのだが、本書においてはその矛盾に対して一つの解決が示されている。

人間や悪魔(堕落した天使)には、自由意思・理性が持たされており、堕落は本人が理性に基づいて選択したものであるという考え方がある。
無論神は、人間や天使を強制的に自らに服従させることもできるが、それではできて当然で別に貴くも何ともない。
むしろ、過ちを犯す余地を持っている者(自由意思を持つもの)が、己の選択によって(あえて)神に従う、ということが貴いのである。なるほど!ここだけはすごく説得力がある。

この手の疑問は、さかのぼっていくといつかは、神はいるのか?という問いに行きつく。神がいるなら、なぜこの世の悪を放置しているのか、みたいな感じで。
したがって、なぜ神はこの世の悪を放置しているのかといった下流の疑問に答えられないとすぐに、『よって、神など存在しない』という上流の疑問に否定的な結論が下されやすい。
本書の場合、少なくとも「なぜ神はこの世の悪を放置しているのか」といったことには答えられる。


神は存在するという前提で、何とかうまく説明しようとするとこれしかないかも。それでも、神の掟に逆らうとなぜ罰せられなくてはならないのか、という根源的な命題は残るが。
なぜ人を殺してはいけないのか、という疑問を、神様抜きで回答しようとすると、それを許すと社会の相互信頼を損ない、社会の構成員全員に不利益となるから、という説明ができる。
しかし、なぜ神に従わなくてはならないのか、という疑問に対しては、この論法は成り立たない。人間が神に従わなくとも、神に不利益になるわけではないのだから。

したがって、この問題は今のところ、これ以上遡及できない原点と考えるしかなく、いわば公理と言わざるを得ない。神に従わなくてはならないという命題は問答無用、そこつっ込んじゃダメ!というわけだ。
しかしこの公理は神が存在することを前提にしているので、神の存在に懐疑的な立場にとっては、根本的に議論が食い違ってしまう。

何でこんなこと言うのかというと、神が悪を放置する理由は分かった。しかし、疫病や生まれてすぐ死んでしまう赤子のことを考えると、なぜ神はこんな運命を用意したのか、と考えざるを得ないからだ。
キリスト教/ユダヤ教の原罪論でいうと、その理由は本書にある通り、最初の人間であるアダムとイブが神の教えを守らなかったから、子孫にまで罰が及んでいるということになる。

アダムとイブは神によって理性をもって作られたのだから、彼らが罪を犯したのは彼らの理性に責任がある。
しかし生後すぐに死んでしまう子供は、当然ながら自分に責任があるわけではなく、またそれ以外にも本人には責任を負わせがたい理不尽な不幸はこの世にいくらでもある。
これらの不幸をすべてアダムらの原罪によって説明しようというのか。
確かに神は人類に恵みを与えてくれるが、一人一人の個人に対しては、あまりにも不公平で過酷ではないか。

というわけで、自分としては、原罪論にいまいち納得できないのである。




読書履歴(続)

額田豊・晉の生涯 東邦大学のルーツをたどる (中央公論事業出版) 炭山 嘉伸

ターナー症候群 ターナー友の会オリエンテーション (医歯薬出版) ヨハネス ニールセン、デンマークターナー友の会メンバー (著)、坪井 孝幸 (訳)

良寛 旅と人生 (角川ソフィア文庫) 松本 市壽 (編)

趣味だけではなく、勉強になるものを読みたいな~と。あ、そういうのも趣味といえば趣味かね。嗜好の意味での趣味。
現在は古典、ミルトンの失楽園に挑戦中!詩なので、最初見た時はムリかと思ったけど、メチャメチャ読みやすく現代語訳されてる!
これは意外な幸運だ。
内容もとても興味深い。



読書履歴

この夏以降に読んだもの。
結構読んだのね。

かもめ・ワーニャ伯父さん (新潮文庫) チェーホフ

知性について 他四篇 (岩波文庫) ショーペンハウエル

戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 (文春新書) 渡辺惣樹

山怪 山人が語る不思議な話(山と渓谷社) 田中康弘

メソポタミアとインダスのあいだ: 知られざる海洋の古代文明 (筑摩選書) 後藤 健

患者から「早く死なせてほしい」と言われたらどうしますか? (金原出版) 新城拓也

アメリカ白人の闇(桜の花出版) マックス・フォン・シュラー

興亡の世界史 通商国家カルタゴ (講談社学術文庫) 栗田 伸子

キリスト教は役に立つか (新潮選書) 来住 英俊

織田信長の家臣団―派閥と人間関係 (中公新書) 和田 裕弘

失われた福音(星雲社) シンハ・ヤコボビッチ

知っておきたい薬害の教訓―再発防止を願う被害者からの声(薬事日報社)医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 編

世界で一番売れている薬(小学館)山内 喜美子

イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む (講談社学術文庫) 宮本 常一

基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 (羊土社) 和田 勝

いのちを救う、手洗いを

君主論 (光文社古典新訳文庫) マキャヴェッリ(著)、森川 辰文(訳)

日本疾病史 (平凡社東洋文庫) 富士川游

アロウズA3 その2

その2どころじゃねぇ、だいぶ進んでるんですが・・・
久々に更新です。このところ事情で全然作れませんでしたが、気が付けばオフ会まで1ヵ月・・・( ;´Д`)


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NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ 読了

西研 著、NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ(NHK出版) 読了。

評判にたがわず、とても分かりやすかった。
ニーチェといえばこのフレーズ「神は死んだ」。これって、目指すべきものを見失った現代日本にピッタリなんだな。
そしてこのような世の中において、ルサンチマンを乗り越える「超人」たれと。
共感できる部分だったんだけど、この解説書はそれをわかりやすく教えてくれている。
そして、「永遠回帰」。
本文を読んでいるうちは、何が何だか分からなくなっていたところに出てきていた概念だ。
これも本書ではわかりやすく説明してくれている。
生まれ変わっても、同じこの人生を歩みたいか・・・
自分も時々考えることだ。
良い本だった。確かに、ニーチェの考えというより、著者の西先生の哲学が開陳されているともいえるかもしれないが(・・・と思うのです、というフレーズが多い)、著者の考えに共感したので、自分としては気に入った。





足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想 読了

森茂暁 著、足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想(角川選書) 読了。

足利直義という人物、太平記でしか知らなかったが、非常に興味深い。
少し前から室町期の歴史に興味を覚えるようになった。佐々木道誉、後南朝と読んできたが、今回が一番印象深かった。
昔学校で教えられた歴史の授業が、なんともスカスカな感じがしてくる。
足利氏と公家の関係とか、社会とか、宗教的側面とか、いろいろと足らないね、学校の授業は。
歴史から教えられることが多いのは間違いないけど、学校の授業の歴史から教わることってのは、本当に上っ面なことだけなんだな~~
でもこうやって、遅まきながら、歴史に触れることのできる書物と出会えて幸運だ。
夢窓疎石と直義との対談とされる「夢中問答」も読んでみたい。

ブッダの真理のことば 感興のことば 読了

中村元 著、ブッダの真理のことば 感興のことば(岩波文庫) 読了

わかりやすい現代語訳で素晴らしい。
人生訓として大事にしたい。


ツァラトゥストラ(下) 読了

ニーチェ著、ツァラトゥストラ(下)・光文社古典新訳文庫 読了

これはきつい・・・ところどころわかるが、これでツァラトゥストラを読んだことにするのはもったいなさすぎる。
入門書を購入しよう。




ツァラトゥストラ(上) 読了

ニーチェ著、ツァラトゥストラ(上)・光文社古典新訳文庫 読了




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主にヨンサンを中心に作っています。作ったり作らなかったり、はなはだ不安定な模型ライフですが(^^;;)

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