コンスタンティヌス ─その生涯と治世 読了

ベルトラン ランソン 著、大清水 裕 訳、コンスタンティヌス ─その生涯と治世 (文庫クセジュ) 読了。

これもいい本だ。
コンスタンティヌス大帝は今ではローマ帝国をキリスト教化させた人だと思われているが、彼の在世時の位置づけはちょっと違うみたい。彼の後継者たちが始祖だと祭り上げたというのが正しいようだ。特にカトリック教会の1000年以上にわたる宣伝が大きい。
彼の治世は名君時代、泥棒(!)時代、浪費家時代に分かれるというのが面白い。
人間的にも優れた人物だったようである。
以前、辻 邦生の背教者ユリアヌスを読んだときはキリスト教の保護者というイメージが強かったが、本書によると保護者というより教義論争で内輪もめしている宗教家の融和を図ろうとしたメディエーターという立場を自覚していたようだ。
後に主流派となるアタナシウス派の頑なな態度にイライラしていたらしい。
三位一体説を正統と確認したニケーア公会議を開催したのは確かに彼だが、アタナシウス派が勝利するように積極的に働きかけたわけではない。
おそらく彼は、どちらが正統でどちらが異端でも良かったのだ。重要さの本質は教義ではないと思っていたのかもしれない。

三位一体説は、父なる神とイエス、精霊は、別個の位格でありながら一つであるとする教義。一方異端とされたアリウス派は、父なる神があって、神の子イエスを生み出したと考える。これがなぜいけないかというと、アリウス派に従うと父なる神とイエスと、神が複数できてしまい、神は唯一という大前提と論理的に矛盾するからである。そもそも神は唯一という前提はユダヤ教に由来し、ユダヤ教から分派したキリスト教にはイエスの出現以前から存在したテーゼである。
これは、イエスという存在を、これまでの預言者とは別次元の存在と位置付けた初期キリスト教会、つまりイエスの弟子たちに起因する問題で、キリスト教の宿命的な内部矛盾なのである。
実に興味深い。




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なおこの本、久しぶりに書店の店頭で購入した書籍であった。





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